フルカラープリントを小ロットから作成できる加工方法として、近年「DTF転写」の普及が進んでいます。
一方で、従来の「デジタル転写」と何が違うのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
*デジタル転写とDTF転写は転写プリントと呼ばれる方法に分類されます。
どちらもフィルムを熱圧着してプリントを行う加工方法ですが、
・色の再現性
・フチの有無
・風合い
・得意なロット
などに違いがあります。
本記事では、実際のプリントサンプル写真を用いながら、それぞれの特徴をご紹介します。
加工方法の違い
DTF転写とデジタル転写は、どちらもシートを熱圧着してプリントを行う加工方法です。
一方で、大きく異なるのは「版の有無」です。
DTF転写は版を必要とせず、初期費用を抑えられるため、小ロットとの相性に優れています。
対してデジタル転写は、版を使用する加工方法のため、量産時の加工効率に優れており、大ロットになるほど価格メリットが出やすい特徴があります。
では、仕上がりにはどのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、実際のプリント写真を用いながら比較していきます。
写真比較①:色の再現性
まず、実際の入稿データがこちらです。
このデータをそれぞれの加工方法でプリントした実際の写真がこちらです。
どちらも十分鮮やかに表現されていますが、比較すると、デジタル転写の方がより色の深みが表現されており、入稿データに近い仕上がりになっています。
色の再現性においては、デジタル転写の方がやや再現性の高い仕上がりとなりました。
写真比較②:フチの有無
フチの有無も、仕上がりの違いを大きく左右するポイントです。
デジタル転写は、基本的にフチが付く仕様となります。
フチには単色タイプもありますが、今回の写真は透明フチ仕様となります。
一方で、DTF転写は基本的にフチが付きません。
ただし当社では、細い線や小さな文字など、デザイン保持が難しい場合に限り、補強目的でフチを付ける場合がございます。
画像をクリックして拡大いただくと違いが分かりやすくなります。
写真比較③:風合い
風合いも若干の違いがあります。
写真では少し分かりづらいですが、DTF転写の方がやや柔らかい手触りとなっています。
一方でデジタル転写は、DTF転写と比べるとやや厚みがあり、貼付け感が出やすい傾向があります。
とはいえ、いずれもシートを熱圧着する加工方法のため、ある程度の貼付け感は発生します。
特徴比較
ここまでご紹介した特徴を、表でまとめると以下のようになります。
用途や重視したいポイントに応じて、適した加工方法を選ぶことが重要です。
| デジタル転写 | DTF転写 | |
| 得意なロット | 中~大ロット | 小~中ロット |
| 色の再現性 | ◎ | ○ |
| フチの有無 | 有り | 無し(例外あり) |
| 風合い | △ | ○ |
料金目安の比較
加工方法によって、作成枚数ごとの単価傾向にも違いがあります。
以下は、各加工方法における枚数別の「1枚あたりの加工単価」を比較した表です。
プリントサイズや作成枚数によって、価格差の出やすさが変わってきます。
【綿Tシャツ(085-CVT ブラック)で作成した場合】
| 1枚あたりの加工単価(シート代+プレス代+版代) | |||||||
| プリント サイズ | 加工手法 | 10枚 作成時 | 30枚 作成時 | 50枚 作成時 | 100枚 作成時 | 300枚 作成時 | 500枚 作成時 |
| 10×10 cm | デジタル 転写 | ¥2,500 | ¥1,167 | ¥700 | ¥450 | ¥317 | ¥290 |
| DTF 転写 | ¥1,000 | ¥550 | ¥450 | ¥400 | ー | ー | |
| 27×40 cm | デジタル 転写 | ¥2,900 | ¥1,567 | ¥1,250 | ¥1,030 | ¥897 | ¥870 |
| DTF 転写 | ¥1,200 | ¥1,100 | ¥900 | ¥850 | ー | ー | |
※別途、本体代と送料を頂戴いたします
※30枚未満のご発注時は、事務手数料5,000円を頂戴しております
※デジタル転写は透明フチタイプの金額となります
※DTF転写は100枚以内を推奨しております
それぞれの向いているケース
DTF転写とデジタル転写は、どちらが優れているというよりも、用途や重視したいポイントによって適した加工方法が異なります。
【デジタル転写が向いているケース】
・キャラクターやロゴなど、色の再現性を重視したい
・フルカラープリントを大ロットで作成したい
(例:販促ユニフォーム/企業ユニフォーム/ノベルティなど)
【DTF転写が向いているケース】
・フルカラープリントを小ロットで作成したい
・貼付け感を少しでも抑えたい
(例:アパレル物販/チームウェア/ショップスタッフウェアなど)
まとめ
DTF転写とデジタル転写は、どちらもフルカラープリントへ対応できる転写加工ですが、それぞれ特徴が異なります。
【デジタル転写が優れている点】
・色の再現性
・大ロットでの価格メリット
【DTF転写が優れている点】
・比較的柔らかな風合い
・小ロットとの相性
・フチが付かない(例外あり)
また、デザイン内容や作成枚数によっても適した加工方法は変わるため、用途に応じた選定が重要です。
当社では、加工内容やご希望の仕上がりに応じて、最適なプリント方法をご提案しております。
加工方法に迷われた際は、お気軽にご相談ください。









